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帰りたい女
「実家に帰りたい」 ぼんやりとそう思った。
別に今の暮らしがいやになったわけでも、親が恋しくなったわけでも、田舎の空気を吸いたくなったのでもない。
なんとなくだるくて、(寝込むほどでも医者に掛かるほどでも仕事を休むほどでもなく「少し」体調がよくない、というのが3日ほど続いている)、なにをするのも面白くない。

今朝は会社を休もうか迷ったけれど、休んだところでぼんやり座っているだけだと思って家を出た。だらだらと化粧をしたので眉毛を描くのを忘れてしまった。
白目が赤く腫れていて、涙がにじんでくる。

「実家に帰りたい」と言ったけれど、考えてみたらそれは違っていて、帰りたいのは、あの、ひとり暮らしの狭い部屋なのかもしれない。
わたしひとりが暮らすのにちょうどいい、あの居心地のいい狭い部屋に帰りたいのだと思う。あそこでしばらくぼんやりしたら元気になって戻ってこられそうな気がする。反対に、あそこでしばらくぼんやりしたら、もうここから出たくない、どこにも行きたくないとなるかもしれないけど、どちらにしてもあの場所に戻ることはもうできない。

ひとりになりたいのか、と考えるとそんな気もするし、そうじゃないようにも思える。だけど、たとえばひと気のない海岸、たとえば山の麓の湖、たとえば見晴らしのいい丘の上、そういうところにひとりで立っているところを想像すると風がすうと抜けるような涼しい気持ちになる。
まっすぐに伸びる道路を何も考えずにただ走るところを思い浮かべるのも悪くないが、わたしは車の運転ができない(10年近くハンドルを握っていない)。


ひとりになりたいのかしらねえ、とぼんやり思いながら、同時に夕飯のことを考えている。今日は白菜とうどんと豆腐を買って帰る。猫の餌はまだあっただろうか。
家に帰ったら、もらったまま放置している、アレルギーに効くらしいサプリメントを飲んでみると決める。思い込み効果でなんとかしてみようか。
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